先輩インタビュー⑤

先輩インタビュー第5弾o(^▽^)o

 

今回は新卒4年目、食品メーカーにお勤めの森下さんです。

とても気さくな方で、親身になって質問に答えて下さいました!

障害のある学生さんの就活だけでなく、人生のあらゆる面で参考になるアドバイスを頂いたので、ぜひぜひご覧ください(^O^)/


こんにちは。森下です。少しでも皆さんの参考になりましたら幸いです。

 

Q.ご自身の障害について教えて下さい。

原因は不明ですがおそらく1歳になる前にかかったマイコプラズマ肺炎という病気により耳が聞こえなくなりました。現在ではスクリーニング調査等で障がいの早期発見ができますが、昔はなかったため、1歳半位まで障がいがあることが分かりませんでした。

その後、小学校から大学まで耳の聞こえる方と一緒の学校に通いました。口話で育ち、手話は大学に入学してから学び始めました。

 

Q.お仕事の内容について教えて下さい。

食品メーカーの人事本部ダイバーシティ推進室に勤めています。この会社で働くみなさんは、会社のことが大好きな方が多いと感じています。とても良いことですが、見方を変えれば同じ価値観で現状に満足してしまうことになります。

会社が成長し続けるためには、現状に満足するだけでなく、常にその現状を疑うこと、AランクであればSランクへ、常に上のレベルを目指していくことが必要です。そのためには、多様な価値観を認め、多様な人が働きやすい環境を目指さなくてはなりません。

そういった、ダイバーシティの考えを広め、会社をよりよくするための部署で働いています。

 

Q.お仕事の環境について教えて下さい。

―働くうえでの配慮について―

「ヘルスキーパー」というマッサージ師がおり、上司に許可を取ると就業時間中に月2回1時間マッサージを受ける事が出来ます。このヘルスキーパーは、視覚障害を持つ社員の方が多く、オフィスでは入り口や廊下に点字ブロックがついています。

盲導犬を利用している方もおり、その際はオフィス全体に盲導犬についてアナウンスをしました。盲導犬や視覚障がい者の理解が深まるという意味で、社員にとても良い影響を及ぼしています。

制度としては1年間に5回休暇を取ることが出来る「ハンディキャップサポート休暇」があります。これは通院などすることで、有休がなくなってしまうことを防ぐためです。30分単位で休暇を取ることができ、通院や治療、器具のメンテナンスなどに使うことが出来ます。

聴覚障がい者に対するサポートは、入社時希望すれば、新人研修や入社式に手話通訳がついたり、資料のレジュメを共有したりして、本人が希望するサポートはできる限りつくようになっています。

 

―お仕事中のコミュニケーション手段―

やりとりはほとんど口話です。他にはメールやメモ書きで内容を確認します。

部署の人数が6人と少ないので、理解出来ることが多いですが、分からなかったらすぐに聞くようにしています。

また、健聴の方は、仕事の際メールと電話でやりとりしますが、私はメールだけで対応しています。電話の代わりをお願いすることもありますが、特に重要な依頼をする時は、出来る限り直接お会いして依頼するように心がけています。会議の際は、話した内容・決定事項・宿題を私が議事録としてまとめ、参加者に聞き間違いや記入漏れを直してもらいます。結果的に私だけでなく、会議の参加者全員が会議の内容を把握することができる記録になっています。

これらは私の場合ですが、他の聴覚障がいの社員も自分に合ったサポートを希望して仕事しています。

仕事に必要な手話表現を覚えてもらったり、聞き取りやすい電話機種を用意していただいたり、会議の際は同僚にパソコンテイクをしてもらったりと、自分に合ったサポートをしっかり周りに伝えるようにしています。

 

Q.お仕事のやりがいについて教えて下さい。

私の仕事は、人対物ではなく、人対人です。対象者は、顧客であり、社員でもあり、身内の一人でもあります。社外の方との仕事とはまた違ったシビアさがありますが、研修を実施したとき「今ちょうど苦しんでいたから、こういった研修を行ってくれて良かった。」等嬉しいアンケートの回答を頂くと、やって良かったと思います。

ダイバーシティというまだまだ新しい概念を広めるため、イチから始めるものがほとんどです。その過程では辛い事や葛藤もありますが、研修やセミナー後は今までの努力が報われる瞬間を感じることが出来ます。

また、一度対応した方はできる限り、忘れないようにしています。メールで名前を覚え、会社でお会いした時は絶対に顔を覚えます。2回目にやり取りをする方には、「ご無沙汰しております。」と一言添えるようにしています。その結果、以前セミナーに参加された方に久々にお会いした時、「覚えてもらっていて嬉しいです。」と言って下さり、自分が心がけていたことは間違っていなかったのだと感じています。

 

Q.現在お勤めの会社に決めたきっかけを教えてください。

メーカーのなかでも身近な物を扱う会社が良いと思った時に、「食品」は身近だと思いました。おいしいものは誰でも幸せになりますからね(笑)「もしこの会社で働いたら…」と想像し始めたとき、街のあらゆる所でこのメーカーの製品を見かけるようになりました。今まで意識していませんでしたが、こんなにも人々の生活に関わっている会社だと気づき、ここで働きたいという想いが強くなりました。

面接時には最後に「仕事のやりがいはなんですか。」という質問をしました。面接官から、「今の仕事は自分がやりたくて希望した部署。自分が行きたいと思って異動したからこそ、日々責任を持って仕事をしている。チャレンジしたかいがあって、毎日とてもやりがいがあるよ!」とキラキラした目で答えてくださったのです。自分の仕事に誇りを持ちキラキラしている社員の方に、面接で訪れるたびに、オフィスですれ違うたびに、ますます魅かれていきました。

 

Q.就職活動をする際に重視していたことを教えて下さい。

当初、障がいに対して配慮がある企業と、あまりない(であろう)企業のどちらに行くか、社会人としての人生は長いので悩みました。最終的には、障がいの配慮がなかったとしても作ればよい、返って自由度も高いだろうと思うことにし、気になった企業にエントリーすることにしました。面接対応としては、面接で聞かれそうな質問を表に書き、裏にそれに対する自分の答えを書いた単語帳を作り、ひたすら頭の中で繰り返していました。

入りたい会社を絞り込む最後の決め手は、自分が働いている姿を想像して、ワクワク感があるかどうかで判断しました。どの会社もカラーが違います。

私の場合、他社の面接では、二次・三次面接に進んでも、女性の面接官に会うことはありませんでした。しかし、この会社の面接で初めて女性管理職の面接官に遭遇しました。男性だけでなく、女性も活躍していることがわかり、自分の将来が明るいとワクワク感でいっぱいになりました。面接では、「美大を出たからってそれだけをやりたいわけではない。デザインはどんな仕事にもつながっている。」と主張し、自分の可能性を広げるよう心がけました。

気になった企業にはとりあえずエントリーシートを出し、書類が通ったら面接で自分らしさをアピールしました。どの企業に受かるかも縁。最後に採用して頂けるかどうかを判断するのは、会社側。仮に落ちたとしても、相性がよくなかったのだと思い、自分ばかりに非があるとは考えないようにしていました。

 

Q.美大生特有のものづくり精神はどこに活かされましたか?

現在のダイバーシティ推進室は社内のことを知ってから取り組みたいと思い、第三希望にしていました。会社のことも知らないのにイチから作り上げる部署では役に立たないだろうと思っていたのです。そのため、ものづくりにかかわれそうな部署ということで宣伝や広報を希望しました。結果的にこの部署になりましたが、社内のことを熟知した上で会社をよりよくするためにイチから考えていく過程が、ものづくりとよく似ています。

大学時代は、感覚でものを作るタイプだったので、あまり作品に対して振り返りを行っていませんでしたが、この仕事では何よりもフィードバックが大切です。利用者や参加者の声をどう生かすかによって、また更に良いものづくりができるのです。大学時代の自分には「もっと振り返れ」と今更ながらアドバイスしたいですね(笑)業務は女性の子育てと仕事の両立支援を担当しています。この担当を受け持った時、「私自身子供はいないし、結婚すらしていない、私に出来ることは何だろうか・・・」と悩みました。

しかし、子育ての経験はなくても、子どもを産む前の女性の不安や、知りたい情報などは同じ気持ちのはず、と、今も想像力を働かせながら企画しています。逆に自分の番になったときは、情報を知りすぎているので迷ってしまいそうです(笑)

 

Q.最後に就活生にメッセージをお願いします!

同じ聴覚障害を持つ先輩や私など、参考にすることは大事だと思いますが、最終的には自分ならではの就活を目指してほしいです。

私自身この会社で、最初に新卒採用された聴覚障がい者ですが、後に採用された聴覚障害を持つ後輩には、「常に自分自身がパイオニアだと思って!」と伝えています。聴覚障がいといっても、育った環境や聞こえにくさはその人によって違いますので、私のやり方を基準にしてほしくないのです。皆さんも、自分がパイオニアだと思って、自分らしさを発揮して、就活を楽しんでください!


たとえ同じ障がいであっても、環境が似ていても、やり方はひとつとは限らないということですね。自分が働きやすい環境を作っていく上で、「みんなパイオニア!」私はとても心に響きました(*^^*)

森下さん、ありがとうございました!

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